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現役で現場監督している私が、リアルをお届けします。
ご紹介する「一人親方のピンハネが違法か確認するポイント」を実践すれば、不安がなくなり、安心して一人親方を続けられますよ。
まずは「一人親方のピンハネ」の概要をまとめましたので、ぜひ読み進めてみてください!
宮本 琉叶
8年目の現場監督です。建設業界のリアルな事情や転職成功の秘訣などを発信していきます。私の記事を読むと最新の仕事事情がわかるため、入社時のギャップを減らせます。
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一人親方のピンハネとは?
ピンハネとは、本来他人が受け取るべきお金や財産の一部を抜き取り、自己利益にする行為を指します。ビジネスの場では、事業主などが従業員の給料の一部を不当に取る行為として、中間搾取とも呼ばれます。
一人親方の場合、元請け会社から支払われる金額と実際の給料に大きな差が生じている場合などが該当する可能性があります。
ただし、中間搾取かどうかを判断する際には慎重さが必要です。疑いから関係が悪化し、一人親方としての仕事を失うリスクもあるため、冷静に確認し、適切に対応することが重要です。
一人親方のピンハネが違法か確認するポイント5選
一人親方のピンハネが違法か確認するポイントは以下のとおりです。
- 従業員を雇うとコストや手間がかかる
- 中間搾取は違法
- 元請からの支払い=給料とは限らない
- 保険などの各種手続きが適切かどうか
- 適切な報酬か確認する
順番に解説します。
従業員を雇うとコストや手間がかかる
従業員を雇う立場にある一人親方は、さまざまなコストや手間を負担しています。必要な人材を採用・管理するには、時間と労力がかかるだけでなく、多くの経費も必要となります。
具体的なコストや手間については後ほど詳しく説明しますが、一人親方の中抜きを疑う前に、仕事を円滑に進めるために不可欠な費用や手間があることを理解することが重要です。
中間搾取は違法
中間搾取は違法であり、労働基準法第6条でもその排除が明確に定められています。
「何人も、法律で許される場合を除き、他人の就業に介入して利益を得ることはできない。」
ただし、単に支給された金額が期待より少なかったという理由だけで、中間搾取と判断するのは適切ではありません。一人親方がピンハネをしているのではないかと感じた場合は、まず金額が少なくなっている理由を確認し、その上で中間搾取に該当するかどうかを慎重に判断する必要があります。
元請からの支払い=給料とは限らない
一人親方は事業を運営する上で、元請会社からの支払いから経費を差し引く必要があります。
例えば、元請会社から1人あたり15,000円の報酬が支払われても、従業員1人にかかる経費が5,000円であれば、従業員の給料は10,000円になるということです。
つまり、元請会社からの支払い額がそのまま従業員の手元に入るわけではありません。なぜ元請会社から支払われた金額より少ないのか、具体的な経費の理由を確認することが大切です。
保険などの各種手続きが適切かどうか
働く際には、保険などの手続きが正しく行われているかを確認することが重要です。従業員の人数によって健康保険や厚生年金の加入義務が異なりますが、加入が必要な場合でも適切な手続きがされていないことがあります。
例えば、ケガをした際に本来受け取れるはずの補償が、未加入のために受け取れなかったという事態も起こり得ます。このような不適切な待遇で働くと、万が一の際に生活が大きく影響を受けることがあります。待遇が適正であるかを事前にしっかりと確認しましょう。
適切な報酬か確認する
受け取っている金額が適正かどうかを判断するには、元請けが一人親方にいくら支払っているかを知ることが重要です。すべての情報が完全に把握できるわけではありませんが、概ねの金額は確認できることが多いです。
ただし、元請けからの支払いがそのまま給料として反映されるわけではないことに注意が必要です。一人親方にはさまざまな経費がかかるため、報酬は経費を差し引いた金額となります。したがって、元請けの支払い金額より実際に手元に入る金額が少ないのは当然のことと理解しておくべきです。
【建設業】一人親方の今後(将来像)生き残っていく方法も紹介一人親方がピンハネしていると思ったときの対処法
一人親方がピンハネしていると思ったときの対処法は以下のとおりです。
- 一人親方に確認する
- 給与明細を確認する
- 労働基準監督署に相談する
- 転職する(最終手段)
順番に解説します。
一人親方に確認する
直接確認する方法もあります。一人親方は事業主として確定申告の義務があるため、必ず帳簿をつけているはずです。
きちんと管理している一人親方であれば、天引きされる保険や経費の内訳についても詳しく説明できるでしょう。疑問があれば直接尋ねることで、スムーズに解決できる可能性が高いです。
一人親方に直接質問することに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、ピンハネを疑いながら働き続けるのは問題です。正当な給料が支払われている場合、誠実に説明してくれるはずなので、遠慮せずに確認してみましょう。
給与明細を確認する
給料が思ったより少ないと感じた場合は、まず給与明細を確認しましょう。給与明細には内訳が明記されているため、疑問に思う点がないか確認することが重要です。
通常、基本給や天引きされる保険料、残業代、交通費などが記載されています。もし給与明細に問題が見当たらない場合、一人親方がピンハネしている可能性は低いでしょう。
また、給与明細の交付は法律で義務付けられており、必ず従業員に渡さなければなりません。一人親方は多忙であるため、交付に対して消極的な場合もありますが、給与明細を渡さないことは法律違反です。給与明細を受け取ることは正当な権利なので、遠慮せずに要求しましょう。
労働基準監督署に相談する
もし直接確認が難しかったり、給与明細をもらえなかったりする場合は、労働基準監督署に相談する方法もあります。労働基準監督署は、労働基準法に違反している事業主に対して指導や勧告を行う役割を持っています。
もしピンハネが行われていると明確に判断された場合、適切な措置を講じてくれる機関です。ただし、違反行為を裏付ける証拠がなければ、積極的に対応してもらえない場合もあります。
相談の際は、ピンハネを疑った根拠を整理し、雇用契約書などできるだけ多くの証拠を集めてから行くとスムーズに進むでしょう。
転職する(最終手段)
ピンハネに関する問題が解決しない場合、思い切って転職を考えるのも一つの選択肢です。いくら仕事にやりがいがあっても、給料が適正に反映されなければ生活に支障をきたす可能性があります。
せっかくの技術や才能があっても、ピンハネをする一人親方のもとでは将来が見えづらくなるかもしれません。自分の働きが正当に評価される職場へ転職するのは、前向きな決断となるでしょう。
ただし、転職は慎重に考えるべき大きな決断です。今の仕事を続けることで技術や専門性が向上し、将来的に給料が上がる可能性もあります。ピンハネの疑惑が解明されていない段階では、安易に転職を決めることは避けたほうがよいでしょう。
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一人親方が従業員を雇ったときに必要な費用
一人親方が従業員を雇ったときに必要な費用は以下のとおりです。
- 社会保険料
- 交通費
- 事務所代
順番に解説します。
社会保険料
従業員を雇う際には、社会保険料を必ず見積もる必要があります。従業員の人数に応じて加入が求められる保険もありますが、主に以下の5つが社会保険料として含まれます。
- 健康保険
- 介護保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
これらの保険はそれぞれ異なる内容や目的があり、どのような状況で費用負担が発生するのかを詳しく説明していきます。
健康保険
健康保険は、病気やケガ、休業時の治療費などをカバーする公的な医療保険です。一人親方が常用する従業員が5人以上いる場合、健康保険組合や協会けんぽへの加入が義務付けられています。この際、従業員の保険料の一部を一人親方が負担し、従業員の保険料は給与から差し引かれる形で徴収されます。
ただし、従業員が5人未満の場合、一人親方に加入義務はなく、従業員は各自で建設国保や国民健康保険に加入する必要があります。
介護保険
40~64歳の従業員は介護保険への加入が義務化されています。この保険は、介護が必要になった際の負担を軽減するための制度で、費用が給付される仕組みです。協会けんぽなどに加入している場合は、健康保険料と一緒に介護保険料が天引きされ、一人親方がその一部を負担します。
厚生年金
厚生年金は会社員や公務員を対象とした年金制度で、常用従業員が5人を超える場合に加入が義務付けられます。保険料の一部は一人親方が負担しますが、従業員が5人未満の場合は、従業員自身が国民年金に加入しなければなりません。
雇用保険
雇用保険は、失業や育休など収入が途絶えた際に生活を支える保険です。一人親方が従業員を雇う場合は、雇用保険への加入が義務となります。建設業は、失業給付や独自の助成金があるため、保険料が他業種に比べて高めに設定されており、従業員が増えると一人親方の負担も増加します。
労災保険
労災保険は、業務中や通勤中の災害が発生した際に従業員やその家族を支援するための保険です。建設業は危険を伴う作業が多いため、この保険は非常に重要です。労災保険の保険料は他の保険と異なり、一人親方が全額負担しなければなりませんが、従業員が多いほどその負担も増大します。
交通費
交通費も一人親方が負担する必要があります。交通費には、従業員の通勤費だけでなく、現場までの移動費用も含まれます。場合によっては、業務用の車を用意していることもあります。
建設業では、多くの工具や資材を運ぶ必要があり、その量や重さによっては公共交通機関が使えないこともあります。さらに、従業員が複数いる場合は、複数の車両で現場に移動することもあり、その際はガソリン代などの交通費が発生します。
事務所代
従業員の人数が増えると、休憩やミーティングに利用できる事務所が必要となります。そのため、事務所にかかる費用も増加するでしょう。
さらに、仕事で使う道具が多い場合には、それらを保管するための倉庫を借りる必要が生じ、追加の負担が発生します。
一人親方であれば、自宅を事務所代わりに使うことができるかもしれませんが、従業員のためのスペースを確保するには、より広い事務所を借りる必要があるでしょう。事務所を持つことで、光熱費がかかり、従業員が多いほどその費用も増加します。また、事務所を借りる際には、敷金や礼金も考慮に入れる必要があります。
一人親方制度廃止による影響|やるべき準備や将来像について解説一人親方は確定申告の必要があるからピンハネはリスク
一人親方は確定申告の必要があるからピンハネはリスクな理由は以下のとおりです。
- 一人親方は税務調査されやすい
- 税務署はお金の動きをすべて把握している
- 収入をごまかし続けることは不可能に近い
順番に解説します。
一人親方は税務調査されやすい
特に一人親方は、税務調査の対象になりやすいといえます。その理由の一つに、土木や建設業界が申告漏れの多い職種に含まれているからです。
国税庁が発表した「事業所得を持つ個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」の中にも建設業が入っており、この業界は税務調査が行われやすいことがわかります。
一人親方のような個人事業主に対する税務調査は多くありませんが、必要に応じて調査の対象となることもあるため、注意が必要です。
税務署はお金の動きをすべて把握している
税務署は常にさまざまな角度からお金の流れを監視しています。そのため、一人親方が収入を申告しなかったとしても、支払う側の申告からすぐに把握されることになります。
また、銀行口座の動きも把握しているケースが多く、誰かが税務署に情報を提供すれば、一人親方に税務調査が入る可能性も十分にあります。税務署は資金の流れを詳しく把握しているため、収入を隠すような不正行為を続けることは難しいでしょう。
収入をごまかし続けることは不可能に近い
自分で申告するため、「少しぐらいなら収入をごまかせるのでは」という考えは非常に危険です。もし虚偽の申告をしたり、申告自体を怠った場合、加算税などの罰則が課せられる可能性があります。収入をごまかし続けるのは基本的に難しいため、正確に収入を申告することが重要です。
ピンハネ対策よりも法人化した施工会社で働く選択肢
ピンハネはどの会社でも起こり得るもので、実際に行われているかを確認するのは難しいです。特に法人化していない個人事業主の親方の下で働く場合、そのリスクはさらに高まります。
近年、政府は偽装一人親方への対策として法整備を進め、規制を強化しています。また、一人親方の保険未加入に対する規制も強化されており、グリーンサイトや建設キャリアアップシステムなどの導入が進んでいます。さらに、2023年5月にはインボイス制度も導入され、一人親方としての働き方がますます厳しくなっています。
そのため、ピンハネに悩むよりも、株式会社など堅実な経営を行っている施工会社で正社員として働くか、自ら法人化することが、確実なピンハネ対策となるでしょう。
まとめ【一人親方のピンハネは違法とは限らない】
一人親方のピンハネとは、元請けから支払われる金額と従業員に渡る給料の差額が不当な場合に疑われます。
しかし、従業員を雇う際には人件費や経費などがかかるため、元請けからの支払い全額が給料になるわけではありません。ピンハネが違法かどうかを確認するには、コストの負担や保険手続きが正しく行われているかを見極めることが重要です。
また、給与明細や保険加入状況を確認し、不安があれば一人親方に直接質問することも解決策の一つです。
- 従業員を雇う際のコスト負担を理解する
- 中間搾取は労働基準法に違反
- 元請けの支払い全額が給料とは限らない
- 保険や手続きが適切に行われているか確認
- 疑問があれば一人親方に直接確認する
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