【9割が知らない】一人親方になるデメリット|成功するためにすべきことも紹介

【9割が知らない】一人親方になるデメリット|成功するためにすべきことも紹介

宮本 琉叶
宮本 琉叶

こんな悩みを解決できる記事を書きました

ご紹介する「一人親方になるデメリット5選」を把握すれば、事前に回避もできますよ。


まずは「一人親方の概要」をわかりやすく説明するので、ぜひ読み進めてみてください!

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一人親方とは

一人親方とは

一人親方とは、他の労働者を雇わずに自立して仕事を行う建設業の個人事業主のことです。彼らは施主や建設会社から直接仕事を受け、独立して業務を遂行します。一部の一人親方は、家族である配偶者や子どもと共に働くこともありますが、基本的には単独で業務を行います。

この「一人親方」という立場は、建設業における職人のキャリアパスの一環でもあります。伝統的に、職人は親方のもとで見習いとして技術を学び、一定の技能を身につけて独立することで「職人」と認められます。

独立した職人がさらに自らの事業を立ち上げて仕事をする場合、彼らは「一人親方」と呼ばれます。また、他の職人や見習いを雇って事業を拡大する一人親方もおり、これらの者はその技術や地位によって「親方」としての尊敬も集めることがあります。

一人親方になるデメリット5選

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一人親方になるデメリットは以下のとおりです。

  1. 収入が安定しにくい
  2. 仕事の幅を広げにくい
  3. 確定申告が必要(業務が増える)
  4. 融資やローンの審査に通りにくい
  5. 大手企業との直接取引が難しくなる

順番に解説します。

収入が安定しにくい

一人親方としての働き方は、会社員に比べて収入の安定性に欠けることが多いです。季節や市場の変動により、繁忙期と閑散期の収入の差が大きいこと、またプロジェクトの進行具合によって収入が不安定になることがあります。

さらに、長期にわたり安定していた仕事が突然終了するリスクや、仕事中の事故により一時的に収入が途絶える可能性もあります。

こうした収入の不安定さは、一人親方にとって大きなデメリットです。このようなリスクに備えるためには、日常からの貯蓄の積み重ねが重要です。

また、労災保険や建設国保などの社会保険プログラムへの加入、さらには私的年金のような追加の保険に加入することで、将来的なリスクに対する保護を強化することが推奨されます。これにより、急な事態にも対応できる安心感を得ることができます。

仕事の幅を広げにくい

一人親方は通常、自分自身や家族だけで業務を行うため、処理できる仕事の量には自然と制限があります。これにより、仕事の範囲を拡大することが難しい場合があります。

仕事の範囲を広げたい、または受注量を増やしたい場合には、従業員の雇用も考慮に入れるべきです。一人親方であっても、年間100日以内の雇用であれば従業員を雇うことが許されています。

このように従業員を雇用することで、作業量を増やし、より多くの実績を積むことが可能となり、ビジネスの規模拡大への一歩となります。

確定申告が必要(業務が増える)

一人親方として活動する際には、毎年確定申告の提出が義務付けられています。これには、毎月の経費の管理や記帳を含む適切な財務管理が必要であり、これにはある程度の知識と時間が求められます。

もし確定申告が負担に感じられる場合や、自分で処理するのが困難だと感じる場合は、専門家である税理士に依頼することを検討すると良いでしょう。これにより、税務処理の正確さを保ちながら、その他の業務に集中することが可能になります。

融資やローンの審査に通りにくい

一人親方の場合、収入の不安定さが原因で、融資やローン、クレジットカードの審査が通りにくいことがあります。金融機関は収入の安定性を重視するため、変動が大きい一人親方の収入状況は不利に働くことが多いです。

個々の収入や資産状況によって審査の結果は異なるため、一概には言えない部分もありますが、一般的な会社員と比較して、融資やローンを受ける際のハードルが高いことを理解しておくことが重要です。

大手企業との直接取引が難しくなる

一人親方が大手企業と直接取引することは珍しい状況です。通常、大手企業は自社の直接取引企業やそれらの下請け企業を通じて業務を委託するため、一人親方が直接大規模なプロジェクトを手掛ける機会は限られます。

しかし、確固たる信頼と実績を築くことができれば、一人親方でも大手企業との取引の道が開けることがあります。そのためには、持続的に成果を上げることが重要であり、また積極的な営業努力を続けることが求められます。

一人親方が大手との取引のチャンスを増やすには、日常業務での成果をコンスタントに示し、積極的なネットワーキングとマーケティング戦略に注力することが効果的です。

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一人親方になるメリット

一人親方になるメリット

一人親方になるメリットは以下のとおりです。

  • 定年退職がない
  • 労災保険に特別加入できる
  • 自分で仕事を選べる
  • 直接やりとりするので給料があがる
  • 単価の交渉ができる
  • 自由な働き方ができる
  • 上司や従業員に気を使わなくてもよい
  • さまざまなものを経費にできる

順番に解説します。

定年退職がない

一人親方としての仕事には、通常の雇用関係に見られるような定年制度が存在しません。これは、体力やモチベーションが続く限り、一般的な退職年齢を超えても活動を続けることが可能であることを意味します。

この柔軟な働き方は、高齢になっても収入を得続けることができ、経済的な自立と充実した老後を実現する大きな助けとなります。

労災保険に特別加入できる

日本においては、労働者を雇用する事業主には労災保険への加入が義務付けられていますが、個人事業主は通常、労働者とは見なされないため、自動的な労災保険の対象外となります。

ただし、一人親方には例外が設けられており、「特別加入」という制度を利用することで労災保険の保護を受けることが可能です。この制度は、労働者ではない個人も保険の対象とするためのもので、加入することで、業務中の事故や病気による損害に対する補償を得ることができます。

特に建設業や林業、水産業など、事故のリスクが高い業種で活動する一人親方にとって、この保険加入は大きな安心材料となります。個人事業主としてのリスクを労災保険がカバーすることは、一人親方にとって重要なメリットの一つです。

自分で仕事を選べる

一人親方の大きな利点の一つは、仕事を受けるか否かを自由に決めることができる点です。これに対して、会社員は自らの意思で仕事を選択することができず、しばしば組織の要求や状況に従う必要があります。その結果、過重労働に陥ることも少なくありません。

独立して働く一人親方は、自分の判断で仕事の量や種類を選べるため、業務の負担を自ら調節することが可能です。これにより、過度なストレスや体力的な負担を回避しつつ、効率的に業務を遂行することができます。また、不適切な環境や条件の仕事を避ける決定も、個人の裁量で行うことができるのです。

このように、一人親方としての働き方は、自身のライフスタイルや仕事へのアプローチに応じて、柔軟に業務を管理することがその魅力の一つと言えるでしょう。

直接やりとりするので給料があがる

一人親方は、雇用される職人と異なり、より高単価で仕事を引き受けることが多いです。通常、雇われ職人の給与は企業の役職構造に基づいて固定されるため、いくら努力しても収入の上限が設定されてしまいます。

一方で、一人親方は企業の役職制度に縛られることなく、自身の成果と信用を直接的に収入へと反映させることができます。実績が認められれば、より多くの仕事を獲得し、それに伴い仕事の単価を引き上げることが可能です。

さらに、一人親方は中間の諸経費や会社の利益分を差し引かれることなく、全ての報酬を直接受け取ることができるため、雇われるよりも高単価で仕事を行うことがメリットとして挙げられます。

単価の交渉ができる

一人親方は自らの単価を直接交渉することができます。効果的な交渉を行うことで、単価を大きく向上させるチャンスがあります。

単価交渉を有利に進めるためには、常に自分のスキルや価値を向上させることが重要です。自身が市場で重宝される人材であることを認識されれば、相応の報酬を得ることが期待できます。

さらに、交渉技術を磨くことも不可欠です。交渉時には、単に依頼するだけでなく、自分の強みや提供できるメリットを明確に伝えることが求められます。これにより、より高い評価と報酬を獲得することが可能になります。

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自由な働き方ができる

一人親方としての働き方は会社員とは異なり、より柔軟に設定することができます。例えば、仕事量を調整して多くの休日を確保したり、資格取得のための学習に時間を割くなど、自分の望むライフスタイルに合わせたキャリアを形成することが可能です。また、必要に応じて働く量を増やすこともできます。

仕事の場所に関しても自由度が高く、会社員のように望まない場所への出張や引っ越しが必須となることはありません。一人親方であれば、仕事の機会がある場所を自由に選び、住む場所も自分で決めることができます。このように、一人親方は自身のプロフェッショナルな目標と個人的な生活のニーズの両方を調和させやすい働き方を実現できる点が魅力です。

上司や従業員に気を使わなくてもよい

一人親方の大きな利点の一つは、上司によるストレスが存在しないことです。通常の職場環境では、上司との人間関係が悪化すると、絶え間ないストレスが伴います。場合によっては、攻撃的な上司によるパワーハラスメントを受け、それが仕事のパフォーマンスに悪影響を与えることもあります。仕事内容が魅力的であっても、人間関係が悪いと仕事が苦痛に感じられることが多いです。

しかし、一人親方として働く場合、このような上司への配慮や関係性に悩まされることがありません。その結果、不要なストレスを抱えることなく、仕事に集中できる環境が整います。

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さまざまなものを経費にできる

一人親方が業務に関連する費用を必要経費として申告することは大きな利点です。これにより、課税所得を適切に減少させることが可能です。

経費申請が認められる範囲は広く、以下のような費用が含まれます。

  • 旅費
  • 運動費
  • 材料費
  • 消耗品費
  • 外注費
  • 交際費
  • 損害保険
  • 組合費
  • 租税公課
  • 家賃
  • 光熱費や通信費

ただし、経費が売上の80%など、通常より高額な場合は税務調査の対象となることがあります。一般的に、一人親方の経費は売上の30%から50%程度が適切とされていますので、現実的な範囲内での経費計上を心がけることが重要です。実際の業務に即した経費のみを申告しましょう。

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一人親方として成功するためにすべきこと

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一人親方として成功するためにすべきことは以下のとおりです。

  • 仕事を受注するコツを掴む
  • 資金繰り
  • ムダな業務を省く

順番に解説します。

仕事を受注するコツを掴む

一人親方として安定して収入を確保するためには、受注活動に注力することが必要です。

これには、人脈を活用して仕事を紹介してもらう、オンラインのマッチングプラットフォームやエージェントサービスに登録して新たなクライアントを見つけるなど、多様な営業戦略を展開することが効果的です。

また、受けた仕事を確実に完成させることで発注元の信頼を築き、それが将来的な更なる仕事の獲得に繋がるでしょう。

資金繰り

一人親方としては、会社員と異なり資金の管理も自分自身で行う必要があります。これには、入金と支出のバランスを適切に調整し、健全な財務フローを維持することが含まれます。

特に建設業では、入金と出金のタイミングが他の業界とは異なり、資金管理の難易度が高くなります。そのため、クライアントの支払い遅延や突発的な立替金が発生した場合にも対応できるよう、一定の現金を常に手元に保持することが重要です。

ムダな業務を省く

一人親方は、業務の多くを自身で管理しなければならないため、作業の効率化が不可欠です。経理作業やクライアントとのコミュニケーションの効率を高めるために、ITツールの使用が効果的な手段の一つです。

特に建設業においては、工事に必要な材料費や人件費を正確に計算する積算見積もり作業が、多くの時間と労力を要します。この見積もり作業は複雑であり、そのため他の業務に時間を割くことが難しくなることがあります。

会社員から一人親方になったときに必要なこと

会社員から一人親方になったときに必要なこと

会社員から一人親方になったときに必要なことは以下のとおりです。

  • 体調管理
  • 作業車・工具などの用意
  • 各種保険への加入

順番に解説します。

体調管理

一人親方として働く場合、体調管理は極めて重要な業務の一部です。一人で全てを担当するため、体調を崩すと仕事の遅延や中断を避けるための代替手段がほとんどありません。したがって、健康を損なうと、納期の遅れや新たな仕事の受注機会の損失に直結する恐れがあります。

仕事の負荷を適切に管理することも、同様に重要です。過度な業務量は健康を害する原因となり、それが結果的に収入や信頼度の低下を招くリスクにつながります。

したがって、仕事の量を適度に保ちつつ、バランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけることが必要です。定期的なセルフチェックを行い、健康を維持することが一人親方の成功には不可欠です。

作業車・工具などの用意

一人親方として活動する際には、必要な工具や車両など、仕事に必要な資材や設備を自分自身で準備する必要があります。事前に必要な備品を揃えることはもちろん、不意の必要や損耗に備えて、適切な資金も確保しておくべきです。

会社員の場合、通常は企業が必要な備品や設備を提供しますが、一人親方はそのようなサポートがないため、自らの責任でこれらを管理し維持することが求められます。常に備品や工具の状態に注意を払い、必要に応じて迅速に更新や補充ができるようにしておくことが重要です。

各種保険への加入

会社員から一人親方へ転身する際には、保険への加入手続きが重要です。以下に必要な保険の手続きについて解説します。

社会保険の切り替え

会社を辞めた後は、従前の社会保険から国民健康保険及び国民年金に切り替える必要があります。退職の翌日から14日以内に加入手続きを行うことが義務付けられています。手続きが遅れると、遡って保険料を支払うことになります。

健康保険の継続加入

退職前に2ヶ月以上社会保険に加入していた場合、最長2年間、健康保険の継続加入が可能です。継続加入には退職の翌日から20日以内に手続きが必要で、どこで手続きを行うかは、健康保険証に記載されている保険者名で確認できます。

労災保険への特別加入

労災保険は本来、労働者が対象ですが、一人親方も特別に加入することができます。これにより、業務中の事故による治療費や休業補償、障害・死亡時の補償が受けられます。加入していない場合、仕事の受注に影響が出ることもあるため、積極的に加入を検討しましょう。

民間保険の手続き

会社員時代に加入していた民間保険がある場合は、給与からの自動引き落としから口座引き落としに変更するなどの手続きが必要です。また、一人親方になってからは、新たに民間保険への加入も検討する価値があります。これにより、社会保険だけではカバーできないリスクを補完できます。

保険の加入は義務ではない民間保険については、その必要性を慎重に考慮した上で決定することが推奨されます。

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一人親方にとってのインボイス制度の影響

一人親方にとってのインボイス制度の影響

2023年10月より導入されたインボイス制度は、消費税の新しい仕入税額控除方式であり、一人親方にとっては重要な変更点です。

この制度では、登録をしていない事業者が発行する請求書については、仕入税額控除を受けられなくなります。そのため、現場にてインボイス制度に登録している一人親方とそうでない一人親方が存在すると、元請け企業にとっては税額控除が可能な仕入先とそうでない仕入先とが出現し、結果的に登録していない事業者に対して登録の要請がなされることも考えられます。

ただ、インボイス制度に登録することには慎重な検討が必要です。なぜなら、登録することでこれまで消費税の納付義務がなかった免税事業者も、課税事業者として消費税を納付しなければならなくなるからです。特に年間の課税売上が1,000万円以下の事業者にとっては、負担増となり得ます。

以上の点から、インボイス制度の登録は、その影響をじっくりと考慮した上で決定すべきです。

偽装一人親方と指摘されないための対処法

偽装一人親方と指摘されないための対処法

偽装一人親方の問題を避けるためには、実質的な内容を伴う請負契約を結ぶことが重要です。偽装一人親方とは、名目上は請負契約を結んでいても、実際には社員と同じように指示を受けて作業する状況を指します。正当な一人親方として認識されるためには、請け負った仕事を独立して責任をもって完遂できることが求められます。

国土交通省では、適正な一人親方とは、自由に仕事を選べるか、労働時間に拘束がないか、仕事に必要な機材や資材を自分で用意しているか、報酬が雇用される労働者と比較して妥当に高いかなどの条件を満たす個人事業主として定義しています。

この基準を確認するために、国土交通省が提供するチェックシートを利用することが助けになります。請負契約を結ぶ際には、契約内容をしっかりと確認し、不明瞭な点があれば請け負う業者に相談することが望ましいです。

一人親方が法人化すべきタイミング

所得が800万円を超えると、個人事業主と法人の間で支払うべき税金の額に差が生じます。これは、個人事業主の所得税が累進課税率で計算されるのに対し、法人税は比例課税であるためです。

例えば、所得が800万円以下の場合、個人事業主の税率は「695万円以上900万円以下」で23%が適用されますが、法人の場合は15%の税率が適用されます。所得が800万円を超える場合、法人の税率は23.20%に上昇します。

このため、事業の法人化を検討する際は、800万円という金額を基準にすると良いでしょう。ただし、他の所得がある場合や、所得控除の適用、法人としての報酬設定によって税率が変わる可能性があるため、所得が700万円を超えた段階で税務専門家に相談することを推奨します。

まとめ【一人親方のメリット・デメリットを知ったうえで独立しましょう】

一人親方として働くことには、独立性と柔軟性がありますが、いくつかのデメリットも存在します。収入の不安定性、確定申告の必要性、融資やローンの審査の難しさ、事業の規模拡大の制限、大手企業との直接取引の困難さなどが挙げられます。これらの課題を理解し、対策を講じることで、一人親方としてのキャリアを成功させることが可能です。

特に注意すべき点
  • 収入の不安定性: 季節や市場の変動による収入の波があります。
  • 確定申告の必要性: 自身での財務管理と記帳が必須です。
  • 融資やローンの審査難易度: 収入の不安定さが影響します。
  • 大手企業との直接取引の難しさ: 大規模なプロジェクトへの参加が困難になることがあります。

これらのデメリットを理解し、適切に対処することで、一人親方としての独立した業務運営が可能になります。

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