- 「現場監督の若手はなぜ辞めるのかな?」
- 「仕事を辞める前にすべきことが知りたい」
- 「転職を成功させる方法が知りたい!」
などとお考えではありませんか?
本記事では、現場監督の若手が仕事を辞める理由と併せて、現場監督若手を辞めさせないためにすべきことや現場監督からの転職する際のポイント、若手現場監督が挑戦すべき転職先について解説します。
最後まで読むと、辞める前に検討するポイントがわかり転職成功の鍵が手に入ります。
宮本 琉叶
8年目の現場監督です。建設業界のリアルな事情や転職成功の秘訣などを発信していきます。私の記事を読むと最新の仕事事情がわかるため、入社時のギャップを減らせます。
現場監督の若手はなぜ辞めるのか?
若手現場監督が辞める理由は以下のとおりです。
- 仕事内容がとにかくきつい
- 人間関係がきつい
- 自分の時間がない
- 危険な目に遭う
- 仕事量と給料が比例しない
順番に解説します。
仕事内容がとにかくきつい
若手現場監督が直面する職場での挑戦は多岐にわたります。職人たちの中で年齢が若いため、経験豊富な年上の職人からの厳しい扱いを受けることがあり、これが業務を困難にしています。また、工事の進行が予定通りに進まなかったり、突然の変更が命じられたりすることもしばしばです。
これらの状況は、単に肉体的な疲労を超え、精神的なストレスを引き起こすことがあります。精神的な負担は睡眠で回復できる体の疲れとは異なり、特に耐性の低い若手監督にとっては、仕事への情熱を損なう原因となることがあります。その結果、職場環境におけるストレスが蓄積し、やがては職を辞めることを検討するケースが見られます。
こうした厳しい環境に置かれている若手現場監督たちは、仕事のプレッシャーと対人関係のストレスに苦しんでおり、これが職場離れの一因となっています。この状況を理解し、サポートを提供することが、彼らの職場での持続可能性を高める鍵となります。
人間関係がきつい
若手の現場監督は、経験豊富な年上の職人たちを管理する役割を担っており、その人間関係の複雑さから「仕事を辞めたい」と感じることがよくあります。特に、態度や言葉遣いが厳しい職人が存在する現場では、若手監督は対応に苦労し、心身ともに疲弊してしまうことがあります。
技術や経験が充分にある若手監督の場合、目上の職人もその能力を認め、協力的に仕事を進めることがありますが、技術的な不足を感じさせると、職人からの信頼を得られずに見下されることも。職人たちは自分の技能に自信を持っているため、スキルが追い付かない若手監督では、うまく指導や管理が行えない場合が多いです。
このように日々の対人関係や技術的な挑戦に直面し続ける中で、若手現場監督が「もう辞めたい」と感じるのは、十分理解できる状況です。
自分の時間がない
建設業界では、現場作業だけでなく広範な事務処理も求められるため、従業員はしばしば長時間労働を余儀なくされます。現場での作業が17時ごろに終わることが多いものの、その後の事務作業により、作業時間が深夜に及ぶことも珍しくありません。
たまには、一日に10時間から15時間の労働が必要な日もあり、特に家庭を持ち子どものいる従業員にとっては、家族と過ごす時間が大幅に削減されます。このようにプライベートの時間まで奪われがちなのが、建設業の厳しい現実です。
この状況が続けば、特に若手の現場監督は、疲れ切って仕事を辞めたいと考える日が来るかもしれません。常に仕事に追われる生活は、精神的にも肉体的にも大きな負担となります。
残業で時間がないときは、電車の中で夕食を済ませることもあります。
危険な目に遭う
建設現場では、機材に体を挟んでしまって大事故に遭ったり、落下物による衝撃を受けたりすることもあるため、危険が多い現場仕事を行う若手の現場監督が仕事を辞めたいと思うことがあります。
一般的な会社員の場合、仕事場で手足を怪我したり切断することや、頭部に道具が落ちてくることはありません。ですが、現場監督という仕事では、いつどこで危険と遭遇するか分かりませんので、安心して仕事へ邁進できずに辞めたいと思い始める若手現場監督は少なくありません。
現場ではヘルメットや安全靴を着用していますが、それをも破壊する衝撃を受けると危険度は増す傾向にあり、やがて仕事を辞めたいと感じ始めるでしょう。
仕事量と給料が比例しない
建設現場での監督業務の厳しさと、その対価としての給与が見合わないと感じる若手現場監督が「仕事を辞めたい」と思うことは少なくありません。若手現場監督の年収はおおよそ300万円から400万円とされており、これは長時間の労働と複雑な人間関係を乗り越えるには十分とは言えない額です。
特に、朝早くから夜遅くまでの残業が続く日々を経験するうちに、最初は受け入れていた給料でも、仕事の過酷さや人間関係の問題が重なると不満を感じ始めることが多いです。これらの要因が積み重なることで、若手現場監督は給与と労働のバランスに対する不満を抱え、職を辞めたいと考えるようになります。
同級生と比べて年収は高いですが、計算してみると残業代で差がついているということがわかります。
【現場監督】若手が辞めるタイミング
若手が辞めるタイミングは以下のとおりです。
- 現場が変わる前
- ボーナス支給の直後
- 同期が辞めた時
- メンタルがやられたとき
順番に解説します。
現場が変わる前
現場が変わる前、いわいる長期休みに入るタイミングです。
引き継ぎが少ないため、誰にも迷惑がかからないのでスムーズに辞められます。
現場のピーク時や序盤だとやるべきことがありすぎて、辞められません。
辞めたい場合は長期で計画することが大切です。
ボーナス支給の直後
現場監督の利点はボーナスが高いことです。
大手だと一回のボーナスで数百万円支給されることもあります。
基本給は普通の仕事とあまり変わらないので、ボーナスありきの仕事です。
いつ辞めたらいいか逆算して退職届を出しましょう。
早く出しすぎて、スムーズに通ったら会社の思う壺です。
同期が辞めた時
同期が辞めるタイミングに退職届を出すパターンも多いです。
会社側としてはこれ以上、社員を減らしたくないので、全力で止めてきます。
難易度は上がりますが、「同期がやめたから僕も辞めれる!」というなぞのマインドが生まれます。
勢いにまかせて退職するのも大事ですよ。
メンタルがやられたとき
理想はメンタルがやられるまえに転職を考えたほうがよいでしょう。
しかし、そんなにうまく行きません。
鬱などの精神病は自分で気づきにくいので、家族に心配されたら一度、専門の病院で診てもらうことをおすすめします。
精神病と認められて、証明書を手に入れられればスムーズに退職できます。
現場監督になるには?資格を取得したときの手当や仕事内容について解説【対策】現場監督若手を辞めさせないためにすべきこと
現場監督若手を辞めさせないためにすべきことは以下のとおりです。
- 見て学ぶではなく教えてあげる
- やさしく声をかける
- 距離感を保つ
順番に解説します。
見て学ぶではなく教えてあげる
昔からの教えだと、「現場仕事は見て学べ!」と言われます。
たしかに、これも大切です。
しかし、今の若い子はメンタルが木綿豆腐より柔らかいです。
優しすぎかな?と思うくらい優しくしましょう。
やさしく声をかける
休憩時間や飲み会で優しく声をかけましょう。
最近の若い子は内気な子が多いので、休憩時間に缶コーヒーでも渡して、世間話をしましょう。
きっと心を開いてくれますよ。
距離感を保つ
近すぎる距離感は相手にひかれてしまいます。
近すぎず遠すぎずに適切な距離感を保ちましょう。
難しいですが、相手の様子をみればつかめてきます。
だんだん慣れていきましょう。
若手現場監督が辞めたいと相談してきたときの対処法
若手現場監督が辞めたいと相談してきたときの対処法は以下のとおりです。
- 冷静に理由を聞く
- 解決方法を一緒に考える
順番に解説します。
冷静に理由を聞く
相手の意見を一方的に否定したり、相手が何も語る前に「もう少し頑張れば」と励ますことは、通常、相手の心に響きません。まずは、相手の話をじっくりと聞き、その理由や背景を理解することが重要です。
例えば、「辞めたいと思ったのはいつからか」「その気持ちに至ったきっかけは何か」「どうして自分には合わないと感じているのか」といった質問を通じて、相手の状況を深く掘り下げるべきです。もしもその理由が家庭の事情や既に固まった本人の決断であれば、その選択を尊重するほかありません。
しかし、特に若手の場合、さまざまな不安や迷いがあるものです。相手の心情をきちんと理解した上で、適切なアドバイスや励ましの言葉を選ぶことが求められます。
解決方法を一緒に考える
相手が抱える問題が解決可能である場合、一緒に具体的な解決策を探ることが重要です。例えば、「どのような仕事に興味を感じたか」「現場監督として何が困難に感じられるのか」「どんなスキルを身につければ状況が改善すると思うか」といった具体的な質問を通じて、相手が解決策を見つけやすくなるよう支援します。これにより、相手に安心感を提供することができます。
さらに、成功体験がなければ人は簡単に挫折してしまうものです。たとえ小さな成果であっても、何かを成し遂げたり、それを次の仕事に生かすことができれば、その人の自信につながるでしょう。
【年代別】現場監督からの転職する際のポイント
現場監督からの転職する際のポイントは以下のとおりです。
- 20代の場合
- 30代の場合
順番に解説します。
20代の場合
もし建設会社での現場監督業務に疲れを感じたら、デベロッパーやゼネコンのような企業で、若さと技能を活かす新たな機会が見つかるかもしれません。特に20代の場合、経験不足は学びや労働意欲で補うことが可能です。
電鉄系や商社系の職場は建設現場よりも疲弊感が少なく、労務条件も良い場合が多いです。また、これらの業界では年収の向上も期待できるため、若いうちに建設業界での技術や知識を身につけ、スキルアップを目指して転職することが20代のキャリアプランとして有効です。
30代の場合
30代で長年建設現場の監督として働いてきた方は、畑違いの職業に転職することも一つの選択肢です。
たとえば、営業職や小売業が適しているかもしれません。監督としての経験を積んできた30代は、顧客対応スキルも高く、人と接する仕事を楽しむことができるとされています。
建設現場での厳しい人間関係から離れ、もっと穏やかな環境での接客業務は新鮮で快適に感じられる可能性があります。
また、建設機械の操作資格を取得して、監督以外の役職で別の建設会社に転職する手もあります。しかし、建設業界に未練がない場合は、全く異なる業種への転職を考え、新たな環境で社会経験を積むのも30代のキャリアチェンジに有効な方法です。
【保存版】現場監督からおすすめの転職先17選|役立つスキルも紹介若手現場監督が仕事を辞める前にすべきこと
若手現場監督が仕事を辞める前にすべきことは以下のとおりです。
- 会社と現場監督のどちらを辞めたいのか考える
- 現場仕事かデスクワークのどっちがいいか検討する
- キャリアに未練はないか考える
順番に解説します。
会社と現場監督のどちらを辞めたいのか考える
現場監督の職を辞める前に、会社そのものが問題なのか、それとも職務内容に不満があるのかを冷静に検討してみることが大切です。
もし会社の環境や方針に不満がある場合、他の企業で現場監督の仕事を続けるという選択も考えられます。
一方で、現場監督という仕事自体に魅力を感じなくなった場合は、同じ会社で異なる職種への転職も一つの選択肢です。例えば営業部門など、全く新しい分野への挑戦も可能です。
職を辞めることについて後悔のないよう、自身が抱える問題の根本原因をしっかりと見極め、それに基づいて次のステップを検討しましょう。
辞めたい時は頭の中がパニックになっているので、冷静に判断することが大切です。
現場仕事かデスクワークのどっちがいいか検討する
現場監督の役割は、現場での実務だけでなくオフィス内でのデスクワークも含まれます。
次に進む仕事が現場中心か、それともデスクワーク中心かを検討してみるのが良いでしょう。
もし現場監督の事務的な業務が苦手であれば、次に選ぶ職場がデスクワーク主体のものである場合、同じ問題に直面する可能性があります。
現場監督の職を辞めたいと思う前に、その理由を深く考察し、どの部分に不満があるのかを明確にすることが重要です。
キャリアに未練はないか考える
現場監督の仕事を辞める際には、現在のキャリアに対する未練が残っていないかを見極めることが大切です。
職種を変更すると、これまで蓄積してきた専門知識や経験を活かしづらくなる可能性があります。
もし辞めたいと感じている理由が一時的な過労や職場の人間関係の問題に限られている場合、貴重なスキルやキャリアを無駄にしてしまうことになるかもしれません。
現場監督という職を離れる前に、そのキャリアへの未練が本当にないのかを慎重に考えるべきです。
若手現場監督が退職を伝えるときの注意点
若手現場監督が退職を伝えるときの注意点は以下のとおりです。
- 止められても突き通す
- 転職先を決めてから退職したむねを伝える
順番に解説します。
止められても突き通す
退職を伝える際には、上司や同僚からの反応に動じない心構えが重要です。
場合によっては、「この会社でやっていけないなら他でも無理だろう」とか「ここでダメならどこでもダメだ」といった否定的なコメントを受けることもあるでしょう。
これらの言葉は、必ずしもあなたのことを考えたアドバイスではなく、しばしば会社や話し手自身の利害に基づいています。
退職の決断を周囲に伝える時は、どんな意見が飛び交おうとも、それに左右されずに自分の決意を貫く強さが求められます。
転職先を決めてから退職したむねを伝える
退職を計画する際は、新しい職場が決まってからその意向を会社に伝えることが望ましいです。
転職先が未定の状態で退職を申し出ると、不必要な引き止めに遭遇するリスクが高まります。
例えば、後任の人材が決まるまでの間、退職を待ってほしいという要求や、転職先が決まるまでの続投を求められることがあります。場合によっては、後任を故意に決定しないことで、退職を遅らせるような状況も発生しうるため、注意が必要です。
このような不都合を避けるためにも、次の職場が確定してから退職の意思を表明することを推奨します。
現場監督を辞めた若手が転職を成功させる方法
現場監督を辞めた若手が転職を成功させる方法は以下のとおりです。
- 自己分析を徹底する
- 転職の軸を定める
- 転職エージェントに相談する
順番に解説します。
自己分析を徹底する
キャリアの方向性が定まった後に取り組むべきは、自己分析とスキルの棚卸しです。
自分の価値観、得意なこと、苦手なこと、そしてどのスキルが活かせるかを紙に列挙してみましょう。これにより、自分自身の強みと弱みを明確に理解することができます。
また、自分だけの見解に加えて、他人から見た客観的な評価を得ることも有益です。
これらの自己分析やスキルの棚卸しは、転職の面接時に自分を効果的にアピールするための強力なツールとなります。さらに、自分のキャリア観を深め、未来の職業選択につながる洞察を得る手助けにもなるでしょう。
転職の軸を定める
転職を成功に導くためには、自分自身の軸をしっかりと確立することが最も重要です。
転職を考える理由、受け入れがたい労働条件、絶対に妥協できない要求など、自分の仕事観を明確にすることが大切です。
転職の基準を設定するためには、長期的なキャリア目標を設定し、理想の働き方を自分の言葉で表現することが効果的です。
軸が明確でないまま転職活動を進めると、満足できない結果に終わるリスクがありますので、転職前にはこの点をしっかりと検討しましょう。
転職エージェントに相談する
転職を考えている方にとって、自分に適した会社を効率的に探し、スムーズに転職を実現するためには、転職エージェントの利用が推奨されます。
転職エージェントは、一般には公開されていない優良な求人を多く抱えており、その中から最適な職場を紹介してくれます。
加えて、プロのキャリアアドバイザーが自己分析やスキルの棚卸しを手助けしてくれるため、独力では難しいかもしれない企業へのアプローチも可能になります。
また、求人情報だけではわからない企業の内部情報を得ることができるため、転職後に想定外の状況に直面するリスクも軽減されます。
転職エージェントに自分のキャリアに関する悩みや現在抱えている問題を相談することから始めてみましょう。
若手現場監督が挑戦すべき転職先
若手現場監督が挑戦すべき転職先は以下のとおりです。
- ディベロッパー
- ファシリティマネジメント
- 建設コンサルタント
順番に解説します。
ディベロッパー
ディベロッパーは、都市の再開発や商業施設の構築、マンションや広域の住宅地の開発など、多岐にわたる計画と実施を行う職業です。
この職種では、建築プロジェクトの管理や改良の計画を担当し、現場監督の経験が直接的に役立つ知識や技術が求められます。
プロジェクトの規模が大きいため、不動産業界内でも特に高い年収を得られることが一つの特徴です。
現場監督のスキルを活かして、収入が良く、ワークライフバランスが保たれた職場を求めている方には、ディベロッパーとしてのキャリアが適しているかもしれません。
ファシリティマネジメント
ファシリティマネジメントは、土地、建物、インフラ、設備などの全てを包括的に分析し、効率的な運用を目指して提案や管理を行う業務です。
この分野の主要な業務には、プロジェクトの管理やビルの運営・保守が含まれます。
設備や機械の配置計画や導入に関する提案なども行い、現場監督の経験が直接活かされることが多いです。
ファシリティマネジメントの職では、現場監督とは異なり、工事を発注する立場になります。そのため、工期の遅延や厳しい締め切りといったプレッシャーが少なく、よりバランスの取れた働き方が期待できます。
建設コンサルタント
建設コンサルタントとは、道路やダム、上下水道の開発など社会のインフラを設置するための調査や企画、実施までの流れを実施する仕事です。
国や地方自治体からの依頼を受けて課題に対する調査を行い、解決策を提案し、建物の設計を行います。
実際に建物を施工する段階では、ゼネコンに依頼して協力しながら実施します。
現場監督の知識があれば、ゼネコンに案件発注する際もスムーズに進むでしょう。
まとめ【若手現場監督はしっかりと検討した上で会社を辞めましょう】
若手現場監督が仕事を辞めたくなる主な理由は、厳しい仕事内容、困難な人間関係、プライベートの時間の不足、職場の危険性、そして給与の不相応さです。
これらの要因が積み重なり、仕事に対する情熱を失い、退職を検討するようになります。特に、経験が少ない中での職人たちの厳しい扱いや、不規則な工事スケジュールは精神的な負担となりやすいです。
また、長時間労働が常であり、生活の質が低下してしまうケースも少なくありません。
- 仕事内容の厳しさ:物理的、精神的な負担が大きい。
- 人間関係の難しさ:特に年上の職人からのプレッシャー。
- プライベートの時間不足:長時間労働により家族や自己の時間が確保できない。
- 職場の安全性:建設現場特有の危険に晒される。
- 給与の不十分さ:労働の割に給与が低いと感じる場合が多い。